高知地方裁判所 昭和56年(ワ)228号 判決
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【当事者】
原告 田中志穂
右法定代理人親権者父 田中勝章
同母 田中京子
右訴訟代理人弁護士 戸田隆俊
被告 国
右代表者法務大臣 秦野章
右指定代理人 安藤文雄
外二名
被告 学校法人高知中央高等学校
右代表者理事 寺尾澄恵
被告 小島晃
被告 安田火災海上保険株式会社
右代表者 宮武康夫
以上三名訴訟代理人 浜田耕一
【説明】
「第一 当事者の求める裁判
一 原告
1 被告国、被告学校法人高知中央高等学校(以下「高知中央高校」という)及び被告小島晃(以下「小島」という)は原告に対し各自金一一七四万七二三八円及び内金一〇七四万七二三八円に対する昭和五三年五月一九日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。
2 被告安田火災海上保険株式会社(以下「安田火災」という)は原告に対し被告高知中央高校と連帯して金四七〇万円及びこれに対する昭和五五年四月二日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は被告らの負担とする。
4 仮執行の宣言
二 被告ら
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
担保を条件とする仮執行免脱宣言(但し被告国のみ)
第二 当事者の主張
一 原告の請求原因
1 本件交通事故の発生
(一) 日時 昭和五三年五月一九日午前七時三五分頃
(二) 場所 国道三三号線、高知市本宮町二七七番地一先路上
(三) 加害者 被告小島運転の大型バス
(四) 被害者 原告
(五) 態様 原告が前記国道に設けられた南側歩道上もしくは歩道沿いを西から東へ歩行中、同方向に進行して来た加害車に巻き込まれて負傷した。
2 責任原因
(一) 被告国
(1) 被告国は、本件事故発生場所付近道路(以下「本件道路」という)の設置、管理者として、本件道路の交通の安全を確保すべきであるのに、以下のような道路の瑕疵を放置したため、本件事故を発生させたものであるから、国家賠償法二条に基づき、原告の蒙つた損害を賠償すべき義務がある。
(2) 本件道路は高知市西部の幹線道路であつて、車両の交通量が極めて多いが、本件事故発生地点少し手前では左側車線の幅員は6.5メートルであるのに対し、本件事故発生地点では5.6メートルと狭くなつているうえ、カーブしているため、通行車両の多くが道路左端に引かれている外側線を越え歩道すれすれに通行する一方、付近に小学校があるなどの関係もあつて児童等の歩行者の通行も多く、従つて、歩道と車道の区別をするのはもとより、歩行者が歩道上を往来する際、右通行車両と接触することがない程度の車道・路側帯及び歩道の巾を確保する必要がある。しかるに本件事故発生場所付近の歩道(以下「本件歩道」という)は幅員がわずかに八〇センチメートルで、外側線との間隔も二〇センチメートルと極端に狭くなつており、歩道上及び歩道上からはみ出して歩行する歩行者が、右のような通行車両と接触する危険が大であつて、本件道路は国道として有すべき安全性を欠いた瑕疵があるというべきである。
(3) ところで、道路構造令は「道路を新設し、又は改築する場合における道路の構造の一般的技術的基準を定めるもの」(一条)であるから本件道路に直接適用されるものではないが、道路の構造や管理の問題を判断する場合には重要な指針となるべきものである。
本件道路は道路構造令上は第四種第一級の道路であり、第四種第一級の道路は、車線の幅員は3.25メートル以上3.5メートル必要であり(同令五条四項)、歩道は三メートル以上必要である(一一条三項)。従つて本件道路は明らかに道路構造令上の第四種第一級に適合していないのであつて、この一事をもつてしても本件道路には瑕疵があるというべきである。
また、本件歩道は交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(以下「交安法」という)二条三項二号イ、道路構造令三八条二項(旧道路構造令三七条二項)に基づき昭和四二年緊急に交通の安全を確保する必要がある小区間についての応急措置として被告国が設置したとのことであるが、右各条項は「道路の交通の安全の保持に著しい支障がある小区間についての応急措置」規定であるから、応急措置終了後は、すみやかに通常有すべき安全性をそなえた施設を作ることが前提とされているのである。逆にいえば、応急措置で設置された本件歩道は通常有すべき安全性をそなえていないということになる。さらに、道路構造令は、道路の種類により設置すべき歩道の幅員をかえて規定しているが、これはまさに歩道の幅員が交通上の危険の度合いの尺度であるからにほかならない。
もつとも歩道の幅員のみが交通上の危険の度合いの尺度ではなく車線の幅員・車線数電車軌道の有無、車の交通量、歩行者の交通量等種々の因子が尺度となるのである。
(4) 瑕疵と事故との因果関係
本件歩道が現在より三〇センチメートル広く、車道の巾も6.5メートルあれば、原告と加害車とは接触せず、本件事故は発生していない。
(二) 被告高知中央高校は本件加害車の所有者であり、かつ自己のため加害車を運行の用に供したものであるから、自動車損害賠償法三条の規定により原告の蒙つた損害を賠償すべき義務がある。
(三) 被告小島は本件加害車を運転していたものであるが、自車の右側併進車に気をとられ、左前方の注視を怠り、歩道上を通行している原告に気がつかず自車を歩道一杯まで寄せて、原告を自車に巻き込んだものであるので民法七〇九条の規定により原告の蒙つた損害を賠償すべき義務がある。
(四) 被告安田火災は本件加害車につき自動車損害賠償責任保険契約を締結しているので、本件事故によつて発生した損害につき保険金額の限度において被告高知中央高校と連帯して損害賠償の支払をすべき義務がある。
二 請求原因に対する認容と被告らの主張
1 被告国
(一) 請求原因1は不知。同2の(一)(1)(2)中、被告国が一般国道三三号線を設置管理していること、本件道路が高知市西部の幹線道路で、車両の交通量が多いこと、歩道と車道の区別がなされていることを認め、その余は否認する。同2の(一)(3)(4)は争う。同3は総て不知。
(二) 本件道路の設置管理に瑕疵はない。
(1) 本件道路の構造について
原告は、本件道路は道路構造令(昭和四五年一〇月二九日政令第三二〇号)に規定する第四種第一級の道路に該当するから、車線幅員に関する同令五条四項及び歩道幅員に関する同令一一条三項の基準を具備する必要があり、それに適合していない本件道路には瑕疵がある旨主張するが、道路構造令は現に供用中の道路についてまで適用されるものではないし、本件道路は、後記のとおり、現行道路構造令上、第四種第一級の区分に該当するものではなく、これが第四種第一級の道路としての基準を充たしてないとしても、そのことをもつて道路の設置管理に瑕疵があるといえないことは当然である。
本件道路は、大正九年四月一日旧道路法(大正八年法律第五八号)により県道松山高知線として高知県知事が認定、その後、昭和二〇年一月八日内務省告示第一号により二三号国道に、昭和二七年一二月四日政令第四七七号により一級国道三三号線に、昭和四〇年三月二九日政令第五八号により一般国道三三号に各指定され、また、昭和三七年五月一日政令第一八五号により道路法一三条一項に規定する国の直轄管理区間(指定区間)に指定され今日に至つている。そして本件道路は昭和二八年から同三三年にかけて改築工事(拡幅工事及び舗装工事)が高知県によつて行われた。この改築工事は、旧道路法の下における道路構造令(大正八年一二月六日内務省令第二四号)の基準によつて行われたもので、同令によれば歩道の設置の義務づけはなく、国道の有効幅員について、ただ「四間以上ト為スベシ」と規定されているだけであり、したがつて、本件道路の改築時には歩道は設置されなかつた。これは当時の自動車交通の実態からみて、市街部における一部街路以外には歩道設置の必要性が乏しかつたからである。
ところがその後昭和三〇年代後半に至り、自動車交通の急激な発展に伴つて交通事故による死亡者数が全国的に急増し、大きな社会問題となり、これに対応するため、昭和四一年四月一日交安法が公布、施行され、以後、交安法に基づく歩行者の交通事故を防止するための歩道、防護棚、信号機、横断歩道橋等の設置が重点的に行われた。本件歩道もこのような情勢下において、交安法に基づく昭和四二年度交通安全施設等整備事業として国が設置したものである。
交安法に基づく「交通安全施設等整備事業」として行われる歩道の設置は、交安法二条三項二号イに規定する「緊急に交通の安全を確保する必要がある小区間についての応急措置」として行われるものであり、その幅員の構造基準は、交安法施行令一条二項一号の規定により、道路構造令(昭和四五年一〇月二九日政令第三二〇号)三八条二項が適用され、また、旧道路構造令(昭和三三年八月一日政令第二四四号)施行当時は同令三七条二項の適用を受けていた。したがつて、同事業による歩道の設置は、歩道幅員の一般基準を定めた道路構造令一一条三項(旧道路構造令九条三項)の規定に拘束されないで行われるものである。
(2) 本件歩道の安全性について
原告は、応急措置で設置された本件歩道は、通常有すべき安全性をそなえていない旨主張する。
しかしながら、本件歩道の構造及び安全性については、以下に述べるように、本件歩道は、延長的には約八メートルのわずかの区間において、数人が並進するには不足があるものの、人が物理的に通行できるだけの幅は確保されているのであるから、たとえ交安法に基づく応急措置として設置された歩道であつても、これを利用する通行者において、無謀な、あるいは通常予期し得ない方法で通行しない限り特に危険はなく、したがつて通常有すべき安全性を具備しているものといわなければならない。
現行の道路構造令一一条三項は、歩道設置の場合の幅員について0.75メートルから三メートルの範囲で設置することとしているが、これは歩行者一人の占有幅を0.75メートルと定め、これを単位幅とし、一人(0.75メートル)から四人(三メートル)が通行できる幅を基準化したものである。本件歩道のように交安法に基づいて設置される歩道については、前述のように右の基準は適用されないが、この基準の最小値を確保することがその歩道の幅員を定める場合の一応の目安である。本件歩道の幅員は最も狭い所でも0.8メートルで、人が通行できるだけの幅は確保されており、また、歩道部分は車道部分より一段高くし、旧道路構造令九条二項の「歩道は当該道路の車両の通行の用に供する部分の当該歩道寄りの部分より高くするものとする」との規定の要件も充たしているのであつて、道路構造上何らの欠陥も存在しない。しかも、歩道の幅員そのものは人が物理的に通行できないものでない限り、交通上の危険の度合いの尺度とは言えないものである。
また、本件歩道は見通しも良く、歩行者は道路という施設の利用に対する対応の可能性という意味では自在性が高く、本件道路においては、構造上、歩道と車道とが分離、区別されているのであるから、歩行者が歩道をはみ出す場合には、当然に相応の安全注意義務が課せられるべきである。これは歩道寄りを通行する車両運転手においても同様である。」
【判旨】
一原告と被告高知中央高校、被告小島、被告安田火災の間において、原告主張の日時、場所において、本件事故が発生し、原告が負傷したことは当事者間に争いがなく、原告と被告国との間においても弁論の全趣旨によつて事実を認めることができる。
二そこで、まず、被告国の責任について検討する。
本件道路が一般国道三三号線に属し、被告国がこれを管理していること、本件道路は高知市西部の幹線道路で車両の交通量が多いこと、歩道と車道の区別がなされていることは当事者間に争いがない。
原告は、本件道路が道路構造令による第四種第一級の道路に該当するところ、本件道路の車線幅員及び歩道の幅員は同構造令が定める基準値(歩道については三メートル以上)を充たしていないことから、本件道路には交通の安全性を欠いた瑕疵がある旨主張するけれども、一般的に政令の基準値を充たしていない道路が直ちに右瑕疵のある道路といえるか疑問であるが、その点を措くとしても、弁論の全趣旨によつて認められる本件道路がもと旧道路法により県道松山高知線として高知県知事が認定し、その後昭和二〇年一月八日内務省告示第一号により二三号国道に、昭和二七年一二月四日政令第四七七号により一般国道三三号線に各指定され、被告国が管理して来ていること、及び同構造令が「道路を新設し又は改築する場合における道路の一般的技術的基準を定めるもの」(一条)であることに照らすと、本件道路は同構造令上の第四種第一級の道路というべきでないことが明らかであるから、これを前提として、本件道路の瑕疵を論ずる原告の主張は採用することができない。
次に、原告は本件歩道が交安法二条三項二号イ、道路構造令三八条二項(旧道路構造令三七条二項)に基づき、昭和四二年「緊急に交通の安全を確保する必要がある小区間についての応急措置」として、被告国が設置したものである旨の被告国の主張を把えて、設置後、相当年月を経た現在、なお従前のままに放置することは、すなわち本件歩道に道路の安全性を欠く瑕疵があることである旨主張するけれども、道路の瑕疵をそのような形式的なことから決するのは相当でなく、原告も自認するとおり、歩道設置の目的及び必要性、歩道及び道路全体の構造、交通状況などを総合して、個別的、具体的にその瑕疵を判断すべきものであり、更に本件事故の場合、本件道路に外形的、物理的欠陥そのものによつて原告が危害を受けたというよりはその機能的欠陥によつて本件事故が発生したものであることに鑑みると、本件歩道の瑕疵を判断するに当つてはこれを利用する歩行者においても、通常の交通方法に従つて通行していたか否かといつた点も当然考慮されなければならない事柄であると解される。
そこで右の見地に立つて、本件道路及び交通の状況、本件事故発生の経緯と態様について検討する。
<証拠>によれば、次の事実が認められ、これに反する原告本人の供述は右証拠に対比して措信し難く、他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。
本件道路は前記のとおり、高知市と高知市西部、愛媛県を結ぶ幹線道路であつて、道路中央部には市街電車が走り片側二車線でその外側に路側帯、歩道が順次設けられており、普段から交通量が多く、特に、朝の通勤時には、西方から東方市内中心部へ向う車両等で交通は混雑を極めている。そして本件事故発生地点(本件事故発生場所のうち、加害車と原告との接触場所により近い部分をいう。なお、原告と被告ら間で右接触場所の具体的位置について、多少の相違があるが、これによつて被告らの責任の有無が直ちに左右される程のものではないので概略地点として考察を進める)付近から左へゆるくカーブし、本件事故発生地点の手前では幅員6.5メートルあつた車線は5.6メートル位に狭くなり、その分、路側帯が減少し、歩道と外側線との間隔が二〇センチメートル位に狭くなつていて、大型車両等が併進する際などは、これら車両が歩道に接する位に接近して通過することもあつた。しかし、本件歩道と車道とは高さ9.5センチメートルの段差を設けて区画されているので、歩道に乗り上げて通行する車両はなく、歩道部分は平たんにコンクリート舗装されていたので、通常に歩道上を歩行する者が身体のバランスを失つて、車道部分に飛び出すおそれはない。もつとも、事故発生地点から東方へ八メートル位の間は、歩道の外側に転落防止のためのガードレールが設置されている関係もあつて、その有効幅員が八一センチメートルから八三センチメートルに狭くなつており、中学生(原告は本件事故発生当時中学一年生である)以上の者が併進するのにはもともと無理な幅員しかない。しかし大人一人が通行するのには一応十分な幅員であるうえ、本件歩道の交通量は、常時、二人以上の者が歩いていたり、たえずすれ違うほどまで多くはなく、右八メートルの間を過ぎれば歩行者がすれ違うことができる程度の幅員が確保されている場所もあるので、本件道路を通行する車両及び歩行者が通常の交通方法に従つて通行する限り、これらの者が接触する危険は、ない。
原告は本件事故発生の日時に、友人の訴外久武と一緒に、市内中心部にある中学校へ電車通学のため、いつものとおり本件事故発生地点の東方にある螢橋の停留所から市街電車に乗ろうとして同停留所の近くまで来たが、同停留所に多数の乗客が待つていたことから、一つ手前の停留所で始発駅でもある鏡川橋停留所から乗車しようと考え、久武を誘つて、原告が先に立ち、斜めに並んだ格好で、本件歩道上を西方に向けて、本件事故発生地点まで歩いて来たところ、電車がすでに鏡川橋停留所を発車しているのを発見し、引き返して螢橋停留所から乗車しようと考え、車道上の交通の安全を確かめることなく、急きよ、方向転換をして、右久武の左手側方を通り抜けようとして車道上に下りて数歩、歩く間もなく、前記外側線上を西方から東方に時速四〇キロメートルの速度で進行して来た被告小島運転の加害車の左側方前輪フェンダー付近に、原告が右手に持つていた手提カバンが接触し、原告は身体を回転させるようにして倒れ、原告の左下肢が、加害車の左後輪に轢かれ、加害車は急ブレーキをかけ、14.9メートル進んで停止した。その際、原告の左下肢の肉ずり痕が、本件歩道縁石から車道側に五五センチメートル寄つた地点に、長さ4.3メートルにわたつて印されている。なお、右事故当時、本件歩道には原告と久武の二人が歩行していただけで、他の歩行者等で混雑していたとか、久武を含め、他の歩行者によつて、原告が押されるなどして、車道上に下りることを余儀なくされたといつた状況は窺えない。
以上の事実を総合すれば、本件道路(歩道を含む)の設置管理に、交通の安全性を欠く瑕疵は認められず、本件事故は、未成年者とはいえ、すでに中学生として、交通のルールを弁えている原告が、車道上の交通の安全の有無を確めることなく車道上を歩行したため発生したものというほかはなく、他に本件道路の設置管理の瑕疵を認めるべき証拠はない。
三次に、被告高知中央高校、被告小島、被告安田火災の責任について検討する。
<証拠>によれば、被告小島は加害車を運転して、本件道路外側線沿い車線内を制限速度に従つて本件事故発生地点に差し掛つた際、自車の左前方約一二メートルの本件歩道上を対向して歩行中の原告及び右久武の姿を認めたが、特別変つた様子もなかつたので、その動静に注意することなく、そのまま約一五メートル進行したところ、自車バックミラーに、原告の身体の一部が自車左側部に接触しているのが見えたので危険を感じて急ブレーキをかけたけれども、自車の後輪で原告の左下肢を轢き、約一五メートル進行して停止したことが認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。
右の事実及び前認定の本件事故発生の経緯、態様に照らすと、被告小島に対し、原告が歩道から車道に下りて車道上を歩行することを予見して、原告の動静に注意して、接触回避の措置を講ずべきことを期待することはできず、その他、被告小島に運転上の過失は認められない。ちなみに、本件道路は歩行者の横断は禁止されている。
却つて、本件事故は原告の前記のような過失によつて発生したものという他ないから、被告高知中央高校及び被告安田火災についても責任を認めることはできない。
四よつて、原告の被告らに対する請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。 (福田晧一)